2023/11/29

茅葺屋根は古民家としての雰囲気を高め、あこがれの屋根でもありますが
美しい屋根を保つためには少し苦労も必要です。
所有者でできるメンテナンスとしては、苔落し(こけおとし)や差茅(さしがや)があります。
「苔落し」とは苔の生えている茅面を1寸ぐらいの厚み削り取ることで、
苔などの汚れを落とすと共に腐朽を押さえる効果があります。
「差茅」は腐朽した茅を抜き取り、腐朽が軽い茅は引き出して腐朽部分を刈り取ります。間隙部や緩み部に切り茅を差し込み、ガンギ(茅葺屋根を整える道具)で叩いて屋根勾配に合わせていきます。
茅抜き取り時に、押し鉾竹まで抜け出す場合は、鉾竹の交換、追加、縄の絞め直しも必要となります。
苔落しや差茅は高所での作業なので危険が伴いますし、技術も必要です。
一度業者に依頼してみてからその作業を見学し、自分たちで出来るか判断をしましょう。決して無理をしないように安全を最優先して考えます。
自分たちで出来なかったとしても、苔落しや差茅を定期的におこなうことで丸葺きや分割葺きまでの期間を長くすることができるので結果ランニングコストを抑えることにも繋がります。
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